2019年4月26日早朝、コース全体を霧が覆い小雨が降っていました。気温は15度程度でしたが、体感的には数字以上の寒さを感じさせるものでした。
当日は2019年女子マッチプレー選手権の準決勝2組の戦いが行われたのですが、スタート時間を約30分遅らせる事で無事終了しました。
この気象条件の悪さは、選手全員がホールアウトするまで、ほとんど変わる事無く選手を苦しめましたが、挑戦者4選手誰一人として不平不満を口走る事無く、熱い戦いを展開したのです。
戦いは箱根コースをスタートし後半は富士コースをまわる流れですが、下記へ4選手の奮闘を物語るマッチ表を掲載させて頂きます。なお4選手のお名前に付いては、継承略とさせて頂きます。
< 池田久美子選手 VS 白砂美和選手 >
白砂選手の1アップで後半の富士コースへ入るも、なお順調に白星を重ねる白砂選手ですが、あがり3ホールの7番8番9番に対する苦手意識がありました。
この白砂選手の脳に刷り込まれた意識が悪さをしたのでしょうか、何とこの3ホールで二つ星を落としてしまい、18ホールを消化した段階で池田選手に並ばれてしまったのです。
後に白砂選手は、7番を取れれば勝てると言う思いを抱いてしまい、気持ちが空回りしてしまったと振り返っております。
試合中盤まで劣勢気味の池田選手でしたが、富士コースに入り猛烈に追い上げ、サドンデスへ持ち込むと言う底力を発揮しました。
ご本人曰く富士コースに入り3ホールを取れた事、特に7番と9番が大きかったとしておりますが、この勢いは衰える事無く、サドンデスに入った箱根コース1番ホールまで続いたのです。
このホールを奪取する事で、見事このマッチに勝利したのです。池田選手は2016年2017年と連続でマッチプレー選手権で優勝しておりますが、昨年この3連覇を阻止したのが白砂選手でした。
「何とかリベンジ出来ました」と言う池田選手のコメントは、この試合にかける思いを感じさせるものがありました。次回は決勝です。
< 川嶋早苗選手 VS 新井田路代選手 >
霧の中どのホールもスタンスを取り辛かった事と思いますが、新井田、川嶋両選手もまた不平不満を口にする事は皆無で、それはまるでゴルファーの手本の様なプレーぶりでした。
雨で飛距離が大幅に落ちる中、川嶋選手はフェアウエーウッドを駆使しグリーン近くまでボールを運び、巧みなアプローチでピンに絡ませ、新井田選手に離されない様頑張っている姿が印象的でした。
お父様より受け継いだ会員資格と言う事ですが、ゴルフを愛しそして富士平原で76歳までプレーされたお父様に寄り添う様、ご本人も又競技を楽しんでおられる様に思われました。
とはいえ勝負は厳しいものです。1ホールを残した17ホール目で川嶋選手は力尽き、新井田選手に勝利の女神がほほ笑んだのです。
新井田選手は常に「ゴルフは自分自身との戦い」と言い聞かせています。この準決勝もそのスタンスに変わりは無く、相手を意識する事無く無心でこの準決勝も戦えたとしております。
ご本人はこの競技へ初めて参加する事になりましたが、それまでは月例競技が中心でした。何事もご本人にとり初物づくしに成りますが、決勝戦も又無心で戦いたいと述べ、クラブハウスを後にしました。
来月の5月10日はいよいよ池田 VS 新井田両選手による決勝です。